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 ボトックスは主に表情ジワの改善に有効なことは小ジワ・表情ジワのページで述べましたが、ボトックスについての更なる解説と応用について記載したいと思います。

 あまり知られていませんが、ボトックス(R)には意外と長い歴史があります。 もはや30年以上に渡って使用されており、日本でも正式な薬品として1997年に認可が下りています。

  ボトックスはヒアルロン酸のようにシワを「埋めてしまう」のではなく(シワを作らせないように)「伸ばす」ものです。 そのため、深く肌に刻まれてしまっているようなシワのケースではボトックスだけではシワが目立ちにくくなるだけで、薄くシワが残ってしまいます。  そのような場合にはボトックスでシワを伸ばしつつ、ヒアルロン酸を併用することで非常に満足度が高まります。
1)目尻

 目尻のシワは俗に「カラスの足跡」と呼ばれる部分であり、ボトックスの人気部位の一つですが、目の下の外側部分に小さなシワが残ってしまうことが多く、目尻が綺麗になった分、逆に気になってしまう方も居られます。

  そのような場合は微量のボトックスを瞳の真下に相当する部分に注入することで目尻と同じように満足度を高めることが可能ですが、全ての人に納得のいくような結果がでるとは限りません。 そのような場合はやはりヒアルロン酸を微量注入してやることが必要です。

2)多汗症
 注入するだけで約5〜6ヶ月間の間、これまでの汗の80%からほぼ100%に近づくほど汗の量をセーブすることが可能です。 繰り返しにより持続期間が長引く事例が紹介されていますが患者さんよりのコメントを聞いていると1度での効果は8ヶ月〜10ヶ月続いたと話される方もいらっしゃいました。

 時折「ボトックス注入法でワキガの匂いも消せます」という案内があるので混同させてしまっているようですが、匂いについてはさほど効果が期待できるものではありません。 数名の方は「少しワキの匂いが減ったような・・・」とも話されていましたが、元来ワキの匂いが強い方では再注入にお越しになった際もやはり匂いを感じる事が大半です。
 手術による多汗症治療は「体への負担を大きくする=汗の量も減らせる」ものですが、「体への負担を少なくする=効果が非常に不安定」であることから、手術による多汗症治療は当院ではお勧めはしておりません。 しかし、ボトックスによる治療法で効果が半年であるならば非経済だと考える方もいらっしゃるかもしれません。 ところが、繰り返し注入し、汗を止めてしまうことで汗の出る腺が萎縮してしまい、以後も自然と(ボトックスを用いなくとも)汗が減少してしまう可能性が報告されています。 (汗腺萎縮)  
  ※例えば交通事故の為、病院のベッドで半年間寝たきりだと、どんなにたくましい足であっても骨と皮になってしまう例を参照してもらえば想像がつき易いかも知れません。

  ※元来、毛の生えている範囲に10〜15箇所に分けて注入します。チクチク感はあります。脱毛と同時にされる場合は先に脱毛してから注入します。
3)輪郭形成

 顔のえら部分をほっそりさせることで顔を小さくさせることが可能です。 顔が四角いと無骨な印象がありますが、細身にすると驚くほどすっきりします。
 顔が卵形の人ではあまり効果が期待できませんが、エラの発達した方(特にホームベース状の輪郭の方)では効果が大きくなります。

施術前   施術後
4)鼻根部にできるウサギのようなシワ
 顔をくしゃっ、とした時に、鼻筋に横線のシワが数本できて目立つケースがありますが、これもボトックスで対応が可能です。
5)アゴの梅干し状のシワ
 正確にはアゴと下唇の間の部分ですが、ふとした表情の時に500円玉サイズのシワシワができるのを防いでくれます。
6)小鼻をヒクヒクさせる癖のある方
 何かの拍子に無意識に鼻孔を拡げてしまい、「息の荒い」ような状態を連想させてしまう状態の方に
7)笑った時に歯茎が見える方
 これまでは骨格形成でしか対応できませんでしたが、鼻の下に注入することで笑っても上唇が上がらず、歯茎が見えなくなります。
8)首の横ジワ
 数本程度のシワが生じる事が加齢と共にありますが、特に肉付きの良い方では結構できやすいと思います。 このシワに少量のボトックス注入をすることが意外と有益です。
9)歯軋り(はぎしり)
 歯軋りへの応用は思いつきませんでしたが、相談を受けて初めて応用は可能なはずと判断しました。 対象者は少ないかもしれませんがほとんどの方で適応できると思います。 いずれこの経過はレポートします。
※その他
手の掌多汗症

  これらにボトックスは有効ですが、費用対効果や痛みが強い事を考えると賢明ではないと思います。 これらはやはり交感神経に内視鏡等でアプローチする手法が適していると思われます。

上眼瞼下垂

 ボトックスにより「瞼が下垂してしまった」というご相談を受けることが近年多くなっていますが、これはやはりボトックスについて熟知していないクリニックが増えていることが原因と思われます。 当院では下垂してしまった方にも瞼を元の位置に戻す対症療法をご案内しています。
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